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厚労省;薬学部入学定員抑制を早急に検討すべきと明記

2021年6月16日、厚生労働省は第10回「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」を開催しました。第10回とある通り、これまで何度か議論されてきているのですが、今回の取りまとめには、薬学部の入学定員の抑制に関して早急に検討する必要性が明記されています。つまり今後、薬剤師の人数を減らす流れになることがほぼ確実ということです。なぜでしょうか。

 

一般的に理系大学の進学先として、薬学部は魅力的な候補であり、それに伴って難易度の高い学部といわれてきました。しかし、2002年度に47校だった設置数が、03年〜08年の薬学部新設のラッシュにより、現在、77学部で入学定員1万3050人に膨れ上がっています。

しかし、少子化によって各方面で定員割れが生じていることと同様、薬学部77学部のうち、現在では40%以上で定員割れを起こすという異常事態。定員割れは、入学者の学力低下を引き起こすため、それに対応するため、諸検討が行われているわけです。

 

ここまでは表向きの理由。

もう一つの理由は、今後、多くの薬剤師(特に調剤薬局勤務)がAIに取って代わられるからです。薬剤を扱う業務については、きちんと決まった処方箋に則り、決まった用量を守る必要があります。そこに、オリジナリティが入る余地がありません。つまり、ルールが厳格に決まっている職業なのですが、それゆえにAIがやり易い。決まった通り、実行していけば良いのですからね。

むろん、全ての薬剤師が必要なくなるなんてことは、ありません。製薬会社で新製品の研究開発や、薬のルールを決める人なども必要ですしね。とは言え、現在ほどの薬剤師の数は、必要なくなるでしょうし、明らかに供給多寡になります。

 

もはや、弁護士も食いにくい職業になってきていることは周知の事実です。

今後は、一部の医者業務についても、AIに取って代わられるでしょう。

我々の子供が職につく頃は、今と大きく様変わりしているでしょうが、大事なことは「自分で考える力を身につけること」だと思います。ありきたりですが、それを見越して、アドバイスしてあげたいと思います。